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労災の休業補償給付が打ち切られる場合とは?

  • 文責:所長 弁護士 武田彰弘
  • 最終更新日:2022年3月28日

1 労災の休業(補償)給付とは?

「休業(補償)給付」とは、労働者が、業務または通勤が原因となった負傷や疾病による療養のため、労働することができなくなり、そのために賃金を受けていない場合、労働者は、その第4日目から受けることのできる労災給付のことを言います。

休業(補償)給付の支給金額は、「給付基礎日額の60%×休業日数」という計算式で算出されます(なお、休業(補償)給付に加え、「給付基礎日額の20%×休業日数」分の休業特別支給金を受けることもできます。)。

2 休業(補償)給付の打ち切り

休業(補償)給付は、原則として、労働者が治療のために休業し、賃金を受けていない期間であれば受け取ることができるのですが、支給が打ち切られてしまうこともあります。

そこで、休業(補償)給付が打ち切られるパターンについてご紹介いたします。

⑴ 傷病が「治ったとき」(=症状固定となった場合)

ここでいう「治ったとき」とは、症状が完治した場合を指すのではなく、医学上一般に認められた治療を行ってもその医療効果が期待できなくなってしまった状態(症状固定の状態)のことを指します。

症状固定となると、治療の必要性がないとされ、休業(補償)給付が打ち切りとなる可能性があります。

⑵ 傷病(補償)年金を受給することになった場合

「傷病(補償)年金」とは、業務または通勤が原因となった負傷や疾病の療養開始後1年6か月を経過した日またはその日以後の時点において、その負傷ないし疾病が治っておらず、かつ、その負傷ないし疾病による負傷の程度が傷病等級表の傷病等級に該当する場合に支給される年金のことを言います。

傷病(補償)年金を受給することになった場合は、労働者災害補償保険法(省略して「労災保険法」ということもあります。)第18条第2項により、休業補償給付の支給が停止されます。

なお、傷病(補償)年金は、等級に応じて以下の金額を受給することができます。

傷病等級 傷病(補償)年金
第1級 給付基礎日額の313日分
第2級 給付基礎日額の277日分
第3級 給付基礎日額の245日分

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